行動できないのは、“燃料設計”が間違ってるだけ

Design

「行動できない自分」を責める必要はない。
あなたが怠けているわけじゃない。
ただ、燃料の設計が間違っているだけだ。
人は“意志”ではなく、“仕組み”で動く。
どれだけ強い目標を掲げても、燃料が届かない構造のままでは、エンジンは回らない。
行動が止まるのは、意識が弱いからではなく、燃料配管が詰まっているからだ。
この先では、「燃料設計」という視点から、行動が自然に生まれる仕組みを再構築していく。
努力でも根性でもなく、設計を変える。
それが、止まっていた行動を再び動かす唯一の方法だ。

行動が生まれない根本原因は、燃料(=仕組み)の欠如

夜の青空に映える赤と白の塔

「やろうと思っても、結局できない」──
その理由を「意志が弱い」「モチベーションが足りない」などで片付けるのは、表層を撫でているにすぎない。
本質は、燃料供給の設計が壊れていることだ。
いくらエンジンを回そうとしても、燃料パイプが詰まっていたら動かない。
行動の出発点=仕組みを設計しなければ、意図がいくら強くても空転して終わる。


“燃料設計”が行動を後押しする仕組み

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燃料設計とは、行動が自然と起こるように、前段階で準備されている仕掛けのことだ。
つまり、行動を誘発する“構造的要因”を整えること。
たとえば、欲しい行動が「夜に読書すること」なら、

  • 書籍やデバイスを寝室に置く(環境設定)
  • 決まった時間になると通知が来る仕組みを組む
  • 読書を始める“最初の1分ルーティン”を作る

こうした要素を燃料として設計する。
環境、トリガー、報酬、負荷を操作することで、行動が自動化されやすくなる。
行動科学でも、行動変容にはこうしたシステム構造が重要とされている。


行動モデル:COM-Bに基づく仕組み設計

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行動科学の枠組みに、COM-Bモデルというものがある。
これは、行動(B=Behavior)が生まれるには、能力(Capability)機会(Opportunity)、**動機(Motivation)**がそろう必要があるという考え方だ。

  • 能力:その行動を実行するスキルや余力はあるか
  • 機会:環境・時間素材・外的条件が整っているか
  • 動機:やる意味・欲求が働いているか

燃料設計とは、この3つを先回りで満たす仕組みを作ることだ。
能力が足りないなら習得支援、機会がなければ環境整備、動機が弱ければ報酬や意味づけを付与する。


小さな習慣と構造を使って燃料を流す

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燃料設計を具体化するには、日々の習慣パーツを使う。
“1%ルール”や「小さな行動」を導入することで、燃料が少量ずつ流れ始める。
James Clear が示すように、行動変化には “Cue → Craving → Response → Reward” の流れを整えることが鍵だ。James Clear

例:

  • Cue(きっかけ):毎晩寝る前に本棚を見る
  • Craving(欲求):読書したいという気持ちを誘発するフレーズを貼る
  • Response(反応):本を手に取り、最初の1ページ読む
  • Reward(報酬):読んだ後に短い余韻タイムを持つ

こういう構造が燃料パイプを通して、行動が自然に出るようになる。


犯しやすい誤設計とその修正

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  1. トリガーが弱すぎる
     → 行動を促すスイッチが見えない、意識されない場所にある。
     → 解決:目につく位置に、音、アラーム、視覚キューを置く。
  2. 負荷が高すぎる
     → 習慣に必要なステップや準備が多すぎて腰が重くなる。
     → 解決:最初は超ミニマル(5秒、1ページなど)から始めろ。
  3. 報酬が曖昧/弱い
     → 得られる喜びが感じられないと、燃料が枯れる。
     → 解決:行動後に“小さな祝福”を入れる。達成感、心地よさ、視覚記録など。
  4. 環境が味方じゃない
     → 散らかった部屋、誘惑だらけの動線、行動阻害要素。
     → 解決:環境を最適化し、抵抗を減らせ。
  5. 一過性で終わる設計
     → 最初はモチベーションに頼った設計になっている。
     → 解決:モチベーションが消えても動く“構造”に依拠する設計に変える。

「燃料設計」から始める行動再構築

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あなたが知りたいのは、やるべき行動ではなく、行動が自然と出る構造だ。
だから、次のステップを試してほしい:

  1. 目標行動をひとつ選ぶ(例:毎朝早起き、日記を書くなど)
  2. COM-B観点で分析する
     - 能力:あなたにはそれをする余力があるか?
     - 機会:適した時間・空間・資源はそろっているか?
     - 動機:それをする意味・欲求は十分か?
  3. 燃料設計を組む
     - 環境設定(物理的配置、ツール配置)
     - トリガー(アラーム、視覚キュー、通知)
     - 最小行動(すぐできる最初のステップ)
     - 報酬設計(行動後の心地よさ・達成感)
  4. 仕組みをテストし、改善する
     - うまく機能しなかった時点を記録
     - トリガー/負荷/報酬を順に修正
  5. 習慣化&定着
     - 継続できる周期で微調整を繰り返す

このプロセスを繰り返せば、燃料設計が強化され、やりたい行動が自動で起こるようになる。

要点まとめ

行動できない本当の理由は、燃料設計=仕組み構造が整っていないこと

行動を自動化するには、能力・機会・動機の3要素を設計する(COM-Bモデル)

小さな習慣要素(トリガー、最小行動、報酬)を使って構造を形作る

設計が誤っていれば、行動はいつまでたっても出ない

テストと改善を繰り返しながら、構造を育てていくべき

今日は、あなたが “やりたいけどできていない行動” を一つ選び、
それを COM-B の3要素で分解してみよう:
能力・機会・動機。それぞれに“燃料設計”を一つずつ書き出すんだ。
その紙が、明日の行動の羅針盤になる。

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